悪いパッケージがブランド・キラーになる場合

適切な創造性と知的財産保護があれば、パッケージングはマーケティング上の大きな強みとなります。 一方で、手探りでやっていると、売れ残った在庫が笑いものになってしまう可能性もあります。 潜在的な失敗を知ることは、戦いの半分にすぎません。 それらを完全に回避することが商標所有者にとっての勝利となります。

何が 「悪い」包装なのか？

優れたパッケージの力は、少なからず潜在意識 (its subconscious influence)に影響を与えます。バランスが取れ、調和があり、魅力的で、うまくデザインされたプレゼンテーションは、多くの場合、その魅力をあからさまにすることなく、消費者をさりげなく引き込みます。 対照的に、悪いパッケージはより露骨で、即座に本能的な嫌悪感を引き起こす可能性があります。

素直な誤り：美学と情報

消費者の心をつかむための最初のステップは、消費者の目にアピールすることなので、ここにブランドオーナーにとっての最初の落とし穴があるのは当然なことなのです。使用されている色やパターン、あるいはパッケージの形状の不快さから問題が生じることもあるのです。レイアウトは賑やかすぎないか、まばらすぎていないか？ テキストは適度な距離から読みやすくなっているか？事業者は、表示規制を遵守するためのデューディリジェンスを完了しているだろうか？商品名やロゴの派手さ、不快さ、あるいはこれらの組み合わせに問題がある可能性もあります。

消費者にテキストや視覚的なディテールを多用しすぎると、企業が伝えたい核心的なメッセージから逸脱し、自然な嫌悪感を抱かせることになります。同様に、粗悪なデザインは、商品が同程度の品質であるかのような印象を与える可能性が。パッケージが安っぽく見えれば（あるいは安っぽく感じられれば）、買い物客は「払っただけのことはある」という本能から、近寄らないように警告を発するだろう。製品開発、製造、知的財産登録に費やした苦労の末に、この最後のハードルでつまずくと、すべての生成部門の努力が水の泡になってしまいます。

記述的な面では、商標出願前や製品が市場に出回る前に発見できれば、タイプミスは小さなミスで済むことになります。その後、文法的に正しくないコピーや、ブランド名のスペルミスが見つかれば、ビジネスはたちまち恥をかくことに。グラフィックデザインのミス、間違った色使い、その他の芸術的な失敗も同様です。

「間違った」商標が登録されるリスクはゼロではありませんが、他言語に翻訳する際には細心の注意が必要です。場当たり的なローカライゼーションの結果は、困惑を与えたり、笑われるもの、攻撃的なもの、またはその全てになりかねません。別の格言を借りれば、「チェックは2度、印刷は1度」ということです。

不正かつ贅沢な振る舞い

過剰な包装は、たとえそれが単に特大の箱であったとしても、顧客はすぐに気づくものです。開封や廃棄がより困難になり、消費者の大多数 (the majority of consumers)にとって持続可能性が重要な要素であるため、梱包材がリサイクル可能でなければ不評は増すばかりです。過剰な梱包材は、客観的に無駄であることに加え、製造や輸送の過程で企業により多くのコストをかけることになります。

また、顧客は、製品のサイズや内容について誤解を招くような包装 (packaging that misleads them)を強く嫌います。過剰な気泡緩衝材や発泡材が詰め込まれた箱は、その悪名高い例です。 文字による説明と同様に、視覚的な描写や商品の暗示も、不当または欺瞞的な商行為に対する規制に違反する可能性があります。 さらに、専門家のフィードバックは、梱包しようとする企業が内容物について虚偽の主張をしたり、保証を偽ったり、取引に必要な情報を開示しないことを保証する上で非常に貴重となります。

連想による罪悪感：ブランドのズレ

たとえ真空密封されて販売されていたとしても、製品が単独で存在することはほとんどありません。完全なリブランド（これには独自のリスクが伴います）やサブブランドの設立を計画している企業でない限り、すでに確立されたイメージが存在するのであれば、そのイメージに沿ったパッケージであることが重要です。デザイン言語に対するミックス・アンド・マッチのアプローチでは、消費者が店頭でその商品ラインを認識できない可能性があります。朝食用シリアルを例にとってみよう。あるメーカーが多種多様なレシピを用意していても、買い物客がひと目見ただけで、それらがすべて同じメーカーの製品だと見分けられなければ、自分の好みのブランドがないと思い込んで、競合他社の製品に乗り換えてしまうかもしれません。

優れたパッケージングへの道

しかし、すべてが絶望的で暗いわけではありません。 個々の IP 要素を配置して特徴的なトレード ドレス (distinctive trade dress)を作成することは、製品を示し、顧客に印象を与える理想的な方法となります。 そのため、多技能を備えた商標弁護士の意見は、こうしたブランド構築の取り組みに大きく貢献します。

ビジュアルを通して伝える

形状、色、イメージ、タイポグラフィーなど、パッケージのデザインの選択はすべて重要です。 詳細は業界や人口動態によって大きく異なりますが、一般に次のガイドラインが良い実践例と考えられています。

• パッケージと容器の形状は、内容に応じて実用的なものでなければなりません。 自分のブランドが違和感を克服できると完全に自信がない限り、型破りなものには懐疑的になってください。 重要なことは、小売パッケージは、輸送や店頭での積み重ねに合わせて最適化する必要があります。
• 名前、セールスポイント、特徴、説明などのタイポグラフィは、何よりも読みやすい必要がありますが、適切性も考慮する必要があります。 ソフトドリンクやスナックのラインの書体は、健康製品には不適切に見えます。
• 色は目立つ必要がありますが、確立されたブランドに反しない限り、色を多用しすぎないように注意してください。
• デザインとレイアウトは、製品そのものではなく、製品によって得られる利点に注目を集める必要があります。
• 商標の階層について考えてみましょう。 製品のロゴと名前がパッケージの中心にあり、企業のロゴは比較的控えめです。
• パッケージの画像に製品そのものが表示されている場合は、それが正確であること、縮尺が適切であること、必要な免責事項に従って使用されていることを確認する。

これらの属性はすべて、市場の細分化を念頭に置いて計画し、実行する必要があります。 さまざまな視聴者や消費者はさまざまな興味を持っているため、これらのグループをターゲットにしたパッケージのトーンや外観は異なる場合があります。 ただし、重要なことは、ブランディングの取り組みが内部的に一貫性があり、法的に準拠した状態を維持していることです。

機能を追求したデザイン

過剰な梱包材は、金銭面、好意的なものや製品レビューのためであっても、コストがかかります。 企業は、パッケージとコンテナの寸法が必要以上にも以下にもならないように計画する必要があります。 輸送中の製品を保護するために内部の「詰め物」が必要な場合、持続可能な素材を使用することで、より有利な環境評価と将来の配当につながる可能性があります。

この点については、開封して廃棄するパッケージであれば、これらの手順の両方が簡単になるはずです。 私たちは皆、箱や包装紙が反撃してくるフラストレーションを経験したことがあります。 簡単に言えば、使用する材料が少ないほど、パッケージを開けるのは簡単になりますが、常にお客様の健康と損傷の防止を優先する必要があります。 結局のところ、安全は人間工学に優先し、訴訟に勝つよりも回避する方が効果的です。医薬品の改ざん防止シールや家庭用洗剤のチャイルドロックの重要性を考えてみましょう。

商標の旗を掲げる

最も経験豊富な実業家であっても、知的財産法と連動して使用され、知的財産法によって保護されなければ、よく考え抜かれたパッケージング ソリューションが達成できる成果には限界があることを再認識する必要があるかもしれません。 事前の商業的側面はおそらくすでに知られていると思われますが、商標登録のあまり明らかではない利点は、税関当局による輸入の監視を支援する役割です。 偽造者や模倣者を阻止することも、知的財産ポートフォリオ管理への健全なアプローチを促進するもう 1 つの理由です。

ここでこのトピックをまとめると、すべての主要市場におけるすべての IP 資産の登録と更新には、外部パートナーのサポートが不可欠な場合があります。 デンネマイヤーの専門家によるグローバル ネットワークで、存続する独占権を得るために商標手続きを合理化できます。

本記事は、2023 年 6 月 21 日に CITMA デジタル版 (CITMA's digital magazine on June 21, 2023)に掲載されました。